鈴木蔵さんの力強い焼けの志野湯呑木箱は安藤箱(『あ』の印)未使用ですが、自宅での長期保管品ですので古物にご理解いただけるかたに。随分前になりますが、海外からのお客様を案内してご自宅に伺ったおりには縄文文化の精神性に見られる日本文化の美の根源のお話など、熱心にお話してくださいました。また、何点か大きな作品もみせていただき、間近に見る鈴木先生のダイナミックな作品の力強さに圧倒されました。シンプルで素直な作りの中に、嘘のない形、本質の持つ美しさが溢れるようでした。ご紹介するのは小品ではありますが、デザイン的にも面白く、また志野という日本固有の陶器の魅力を存分に味わっていただけるのではないかと思います。汲古開新、伝統を見つめ、瑞々しい感性で独自の道を拓いてこられた鈴木蔵さんの作品です。径7cm x 高さ7.5cm